夏目漱石といえば、元の千円札の人ですよね。
超有名な小説家ですが、どんな人物だったのでしょうか。
人物エピソードや千円札の肖像に選ばれた理由、名言「月が綺麗ですね」の意味、オススメの代表作品を紹介していきますよ。
夏目漱石、プロフィール
夏目 漱石(なつめ そうせき)
本名:夏目 金之助(なつめ きんのすけ)
誕生:1867年2月9日
死没:1916年12月9日
享年:49歳
職業:小説家、評論家、英文学者
時代:明治・大正時代
夏目漱石ってどんな人?
夏目漱石は、明治の文豪。そして教育者でもあります。
ここでは、夏目漱石についてのエピソードや人物像、どんな人物だったのかを紹介していきます。
1,本名は金之介!
漱石の名前ですが、実は本名は夏目金之助です。
漱石という名前は、いわゆるペンネームなのですね。小説をかくときの。
で、ペンネームを「漱石」にした由来。
中国に「枕石漱流(ちんせきそうりゅう)」という言葉があるのですね。
これをある中国の人が「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」と、間違えたのです。「枕」と「漱」を反対にしちゃったのですね。
で、間違えた人は、間違いを指摘されるも、訂正せずに強がり、負けず嫌い全開で押し通そうとしたのです。
「いや、これはこういう意味でも使われる。間違えたわけではない。」
このことから、「漱石枕流」は「負けず嫌い、頑固者、変わり者」というような意味として使われます。
夏目金之助は自分の事を「変わり者」だと思っていたこともあり、「自分の性格にピッタリ」だと気に入り「夏目漱石」にしたのだといいます。
また、親友・正岡子規が過去に使っていたペンネームでもあるのだそうですよ。
2,正岡子規とは親友
夏目漱石と正岡子規は、一生涯の親友でした。
病気で弱った正岡子規は、「僕ハモウダメニナッタ」と手紙に書き、ロンドンにいる夏目漱石に送った話は有名ですね。
出会いは、漱石が大学に入る1年前。
ふたりの友情は正岡子規が亡くなるまで続きます。
ふたりでうなぎを食べに行った時、子規が「お代は任せろ」と言っていたのに、結局、漱石が全額払ったという、おちゃめなエピソードもありますね。
3,芥川龍之介は弟子?
夏目漱石と芥川龍之介の関係について。
この2人は師弟関係だったとも言われています。
実際に芥川龍之介は、漱石の事を生涯「先生」と尊敬していたといいます。
でもこれは、師匠と弟子という関係よりも、先生と生徒だったわけです。
芥川龍之介は、門下生のひとりだったのですね。
こちらの記事で、芥川龍之介について簡単にわかり易く紹介しています。
>>>芥川龍之介とはどんな人物?ドッペルゲンガー見た説や有名作品一覧
4,ロンドンに留学、千円札の肖像へ
夏目漱石は前の千円札の肖像でしたね。
数多くの肖像の候補者がいる中で、これに漱石が選ばれる理由として、ロンドン留学の功績があったからなのです。
世界に通用する通貨として、選考基準が、「国際的な人物」が重要視されました。
福沢諭吉、夏目漱石は即決だったそうですよ。
そういえば、福沢諭吉がいなかったら、「瓦、侍、ちょんまげ」文化はもっと長く続いていたかもしれませんからね。(・∀・)
福沢諭吉についてはこちらの記事で、簡単にわかり易く紹介しています。
ちなみに、ロンドン留学のきっかけですが、文部省の命令ですね。
漱石はこの留学で、ロンドンの事が大嫌いになりました。
理由としては、英語が流暢ではない漱石は、現地でいじめられたのだそうです。
孤独と窮乏生活から神経衰弱に陥り、ついには「金之介が発狂した」と、日本にも伝わってくるほどだったとか。
これは、異国の地でのストレスで精神を病んだとかいうレベルではないらしく、まさしく「発狂」したレベルですから、それは相当なモノだったことでしょう。
このことから、漱石はロンドンが大っ嫌いだったそうです。
5,脳みそホルマリン漬けって?
漱石の脳みそは、ホルマリン漬けにされて現在も保存されています。東京大学医学部にあるのですね。
なんとも過激な話のように感じるかもですが、当時の人達は偉人の脳を保管するのが好きだったようです。
きっと偉人に対して、敬意を表しているのかもしれません。
じきに脳科学によって文豪の脳が、他の人とどう違うのか。あきらかにされるかもしれませんね。
6,病気に悩まされた
夏目漱石は病気に苦しまされた作家です。
かなりの甘党で羊羹(ようかん)が大好物だったのです。
胃潰瘍があったので、医者や門下生にも止められていたようですが、それでも食べていたようですね。
躁うつ病や痔の既往もあってたびたび湯河原や修善寺で転地療養をしています。
1910年ごろに調子がかなり悪くなって、修善寺で危篤状態になってしまいます。
俗に言う修善寺の大患です。
その6年後に漱石は胃潰瘍の悪化で亡くなります。
娘が漱石が死んでしまうと泣き出したのを奥方がたしなめたとき「泣いてもいいよ、良いよ」と言ったのが最後の言葉なのだそうです。
有名作品はどんなものがある?
夏目漱石の作品と言えば『坊ちゃん』『それから』『こころ』『吾輩は猫である』などが有名です。
個人的にオススメしたいのは『私の個人主義』です。
日本独特の、和を重んじる価値観とは違う文化(西洋の感覚)に触れた漱石が、なかば演説のように語った文章となっています。
漱石が教育者として、日本のかじ取りをどうするか考えていたこともうかがえます。
文体も読みやすいもので教科書などにも出ていることがあります。
彼は漢詩文や英語に堪能でした。
友人の正岡子規に、俳句や漢詩を見せてはご丁寧に添削されて、やけくそで英文を提出したらさすがの正岡も太刀打ちできないものだから、「very good」と書いてよこしたという話もあります。
名言「月が綺麗ですね」ってどういう意味?
漱石が英語を教えていた時、「 I love you を訳せ」という問題がありました。
生徒が「我君を愛す」と訳したところ、
漱石は「つまらん、日本人がそんなことを言うか、『月が綺麗ですね』とでもしておけ」
と言い放ったのだといいます。
ちょっとかっこよすぎますよね。実は、本当に漱石が言ったのかは怪しいそうですが。(・∀・)
今は愛しているという言葉を漫画や小説、日常生活で描かれることが多いのですが、昔は「愛」とは本当に捨て身で愛情を注ぐものでした。
恋愛結婚が出来るような時代ではなかったですし。万葉集や古今和歌集には秘める恋の歌が多くあります。
この話とよく似た、「月が綺麗」と好きな人に文を送ったら、「会いに来て」という意味だという和歌もあります。
ラインもメールもない時代ですからね。雰囲気でますよね。
ただ、この夏目漱石のネタはあちこちで使われていますのでリアルに口説くには、ちょっと難易度高めです。逆にかっこわるくなるかもですので、気をつけて。。。(・∀・)
まとめ
ということで、
夏目漱石とはどんな人物?名言「月が綺麗ですね」や代表作品について紹介でした。
夏目漱石について簡単に語るには、
- ロンドン留学の功績で千円札の肖像へ
- 本名は「金之介」
- 名言「月が綺麗ですね」がかっこいい
最後まで読んでいただきありがとうございます^^
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