世阿弥(ぜあみ)といえば、、室町時代に親子で活躍した猿楽師(さるがくし・日本の伝統芸能)です。
現代にも続く流派の「観世流」を芸術として確立させました。
世阿弥の活躍で北山文化は、より一層華やかな発展を遂げました。
今回、世阿弥のかんたんな経歴、父・観阿弥とどんな芸能をつくった?、イケメンだったとされる顔写真は?についてご紹介します。
世阿弥、プロフィール
名前:世阿弥(ぜあみ)
本名:世阿弥元清(ぜあみ もときよ)
出身地:伊賀国(現・三重県名張市)
生誕:1363年
死没:1443年9月1日
享年:81歳(死因不明)
時代:室町時代
かんたんな経歴、何した人、どんな人?
1363年、世阿弥は猿楽師である父・観阿弥(かんあみ)の子として生まれました。
幼少の頃より父から猿楽の英才教育を受けます。
父・観阿弥は、すでに実力ある観世流(かんぜりゅう)の猿楽役者として活躍しており、奈良の興福寺、京都の醍醐寺を中心に舞台に立っていました。
12歳の時に、世阿弥は今熊野(京都市)の舞台に立ちました。
それをみた、将軍・足利義満(あしかがよしみつ)は、世阿弥をたいへん気に入り、観世流はこれまでになかったバックアップを受けました。
義満が世阿弥を気にいった理由は、優れた演技はもちろんのこと、世阿弥がイケメン過ぎたからと言われています。
祇園祭の際も、義満のすぐ側には世阿弥がおり、側近だった公家たちに嫉妬されるほどでした。
またこの頃に文化人としてあらゆる教養を身に付けていきます。
21歳の時に、父・観阿弥が亡くなり世阿弥は観世流のトップにたちます。
当時の北山文化は、伝統的な公家と革新的な武家の文化が混ざり合い、日明貿易による中国大陸の文化、そして禅宗の影響を受けて、より優雅で味わい深い雰囲気が求められていたのです。
世阿弥はそれに答えるように、観世流に幽玄美を取り入れ、猿楽師として特色ある猿楽を確立させました。
37歳の時に「秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず」などの、父の残した教えをまとめた風姿花伝 (ふうしかでん)という能の理論書を残します。
しかし義満の死が訪れると、バックアップを受けることが出来なくなり、観世流は苦難を味わいます。
60歳の時に、長男の元雅(もとまさ)に第3代観世流を任せ出家しました。
穏やかに過ごすはずの余生でしたが、元雅の急死と、第4代観世流の後継者を巡り重罪人となってしまいます。
71歳の時に、高齢にも関わらず佐渡に島流しにされました。
第6代将軍・足利義教は世阿弥の甥である音阿弥(おんあみ)を後継者に指名。
しかし、世阿弥は娘婿の金春禅竹(こんぱるぜんちく)を後継者に指名しており、意見が対立したとされました。
義教は悪政を行い暗殺されたことで、7年間の島流しの刑から解放され、京都に戻りました。
そして80歳でこの世を去りました。
父・観阿弥とどんな芸能をつくった?
世阿弥と父・観阿弥は、どんな芸能をつくったのでしょうか。
この親子がつくったのは「猿楽(さるがく)」というものですね。
猿楽は、日本古来より続いてきた歌や踊りに、中国伝来の芸能が加わって出来た芸能です。
田楽は、農民たちが豊作を願い踊った舞から発展した芸能でした。
室町時代になると猿楽も田楽も、神社の祭礼や寺の行事において欠かせない芸能となっており、神社やお寺には専属の一座がありました。
父・観阿弥は、結崎座(ゆうざきざ)という一座を作り、猿楽に田楽を取り入れた芸術性の高い猿楽をつくりました。
そして観世流は、世間から高い評判を受けることになります。
世阿弥は、観阿弥の作った歌舞能と幽玄な美を一体化させ、更に洗練した芸術と言われるほどに価値を高めました。
たくさんの能楽論書き残しました。
これは現代でも世界に引けを取らない内容です。
現在、能楽は海外で公演されるほどに世界的な芸術となりました。
イケメンだった?顔写真は?
世阿弥の顔写真や肖像はないのでしょうか。
これは残念ながらありません。彼は肖像を残していないのです。
しかし、木造ならありました。
島流しされた佐渡(新潟県)の正法寺に、世阿弥の木像があるのです。
晩年の姿と思われる木像は、若い頃の面影を残した上品な顔立ちとなっています。
こんな感じ。
ジャニーズ系ではないですね。(・∀・)
現代で言うならば、塩顔男子だったのではないでしょうか?
煌びやかな金閣寺を作った足利義満を魅了するほどで、華やかで豪華な北山文化を築き上げたイケメンだったわけですから、相当な美少年だったことがうかがえます。
まとめ
ということで、
5分で世阿弥について!父・観阿弥とどんな芸能をつくった?顔写真は?でした。
世阿弥をかんたんに語るポイントは、
・父・観阿弥を継承し観世流を芸術として確立させた
・将軍義満に気に入られるほどに、イケメンだった
・幕府重罪人とされて佐渡に島流しになった
・北山文化の繁栄に貢献し、世界に通用する観世流を作った
最後まで読んでいただきありがとうございます^^